ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

Entries

新藤監督(98歳)最後の反戦映画を制作

 新藤兼人といえば、脚本家・監督として知らぬ人はない。その人が今年98歳になって、遺言として書き上げたシナリオをもとに最後の作品「一枚のハガキ」を監督した。
 先頃、その撮影現場を中心に新藤監督の姿を追った2時間のドキュメンタリー番組がNHKで放映された。その新作映画は、自身の戦争体験を題材にした最初で最後の作品になるという。撮影現場でお孫さんが付添う車椅子に乗って、4年前に完成したシナリオの絵コンテを手に指示を与えている姿は、とても98歳とは見えなかった。

 新藤監督は松竹大船撮影所に勤めていた昭和19年3月、32歳の時、赤紙で召集され広島県呉の海兵団に入隊する。30代を過ぎた高年齢の二等兵ばかり100人の部隊であった。その部隊は、なんと天理市の詰所を徴用した兵舎へ移動し、予科練を受け入れる準備をする役目を与えられたが、それが終わると、クジで選ばれた60人はフィリピンの戦場へ向かう途中に輸送船が撃沈されて全員海の藻屑と消え、次にクジに当たった30人は潜水艦に乗船して戦死、最後に残った10人の内6人だけが内地で終戦を迎えて生き残り、運よくその中に後の新藤監督も入っていた。映画には本部や詰所の映像も出てくる。

 タイトルの「一枚のハガキ」は、戦友から見せられた一枚のハガキに由来している。その戦友は後に戦死したが、生き残った主人公は戦友の妻が出したハガキを忘れることができない。そのハガキの文面は、
「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないので、何の風情もありません 友子」
 と、さりげない言葉の中に妻の本心がしたためられていた。
 映画のストーリーは、そのハガキを軸に展開していくが、その筋書きは観てのお楽しみとして、演技派の大女優・大竹しのぶが戦友の妻を熱演している。今年中に作品は公開されるようだから、大いに期待したい。

 じつは10月末、東京国際映画祭で上記の映画が審査員特別賞を授賞した。その場で新藤監督は、語気を強めてインタビューに答えている。
「いかなる理由があっても、戦争はやってはいけない。一人の兵士が戦争に行くと後方の家族がめちゃくちゃになる。その悲惨さを体験を通じて描いた遺言のつもりです」
「戦争をやらないと国が保てないと言う人がいるが、戦争は偉い人がやるのではなく、一等兵や二等兵がやるんです」

 この情報には、まだ後日談がある。というのは、後の新藤監督が100名の召集兵と共に予科練の兵舎になっていた天理市の詰所に駐屯していた時、世話になった海軍士官があって、今でも何かあると電話連絡してくる。その士官(90歳)は、空母に乗って真珠湾攻撃にも参加した歴戦の勇士だが、戦後ようぼくとなり、今でも殆ど毎月26日にはおぢばへ帰参されている。しかも昨年、思わぬご縁から紹介を受けて、その波瀾万丈の戦争体験を聞かせて頂く機会があった。その体験記録は、<戦争証言サイト>に収録している。
 先日も新藤監督が東京国際映画祭で特別賞に決まった直後、天理市で世話になった上記の元上官に報告の電話があった。しかし、自らも90歳になる上官は、自分の名前を表に出すことを固辞しつづけているので、HPに収録した証言もK・Kの匿名になっている。下記にリンクした証言ページを、よければクリックして見られたい。数々の珍しい写真も挿入している。
 空母「瑞鶴」と運命を共にした海軍兵士の回想


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

植田義弘

Author:植田義弘
今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

『天の言葉』ダウンロード無料

『原典を元とする理の研究』から教義の基本となる序章と第一章を抜粋してまとめたpdfファイル(37頁分)を無料提供します。

ダウンロードを希望される方は下記アドレス宛にメールくだされば、折返し添付ファイルを返信します。genten505@gmail.com

ブロマガ<原典からの出発>

紹介文:このたび特定の読者のために電子書籍およびPDFファイル等を提供する企画を進めています。いずれも原典を元とする非公開の資料ばかりです。
今後の文書活動資金に役立てるため有料としますが、ご理解ご協力の程よろしくお願いします。

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

(購読手続きは FC2 に無料登録して購読ご希望の資料ごとにメールアドレスとパスワードを記入するだけで個人情報は不要です)

FC2カウンター

最新更新した記事

アルバム