ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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全体主義の恐怖

 このたびのイスラム国による後藤さん殺害のニュースに衝撃を受けていない日本人はいないだろう。フリージャーナリストとしての良心に賭けて危険を承知で活動されていたとすれば、その勇気と業績を賞賛し、理不尽な悲劇が現実となった原因を知りたいと思うのも当然であろう。いわば日本人全体の身代わりとなって命を失った後藤さんのご冥福を祈りたい。

 ところで私には高齢者として70年前の体験がある。それは今の日本ではあり得ない全体主義の実例であった。というのは、真冬に真っ白に雪が積もっている道路を1キロほど先の学校まで、数百人の中学生が靴を脱いで裸足で行進することを強制された体験であった。足の感覚がなくなるほど冷たかったことを覚えている。
 なぜそのような命令が退役下士官の教官から出されたかといえば、一人の生徒が教室の冷たい座席に敷くために座布団を鞄の中に入れていたのを見つかったからであった。おそらく母親が子どもの防寒のために手縫いした座布団であったに違いないが、教官にとっては、いやしくも将来は軍人になって天皇陛下のために命を捧げるべき少年にふさわしくない弱虫の行動に対して、全体責任を科したのであった。
 当時の日本ではオトナも子供も全体主義が当然であって、全体責任を取らされても文句を言ったり批判する者は誰もいない世の中であった。アラブの世界では今も全体責任が常識として通用しているとしか思えない。

 なぜそんな昔の体験を思い出したかといえば、今でもイスラム国の規律では個人と全体が同一視される全体主義が支配していることを思い知らされたからだ。要するに安倍首相と日本国民全体を同一視するからこそ、何の敵意も抱いていない後藤さん個人を平気で殺害して、その残虐な行為を正当化できるとしか理解できない。その証拠に黒装束でナイフを手にした戦闘員は安倍首相を名指して「おまえの国民」と明言していた。かつては日本も「天皇陛下の臣民」と呼ばれていたが、「安倍首相の国民」になった覚えは私にはない。
 曲がりなりにも民主主義は個人主義が基礎だから、主権は国民にあり、政府の横暴な政策は許されない。前にもブログで書いたことだが、年末の衆院選ではほぼ半数が棄権した中で48%しか得票していない自民党が70%の議員数を獲得したのだから、実質的には国民の4分の1しか安倍政権を積極的に支持していないことになる。少なくとも私は戦争の実態を知らない安倍首相に投票した国民ではない。ましてほとんどの日本人はイスラム教とキリスト教の宗教戦争に加担して「十字軍」になったつもりはない。
 ところが、いかに悪逆非道であろうと全体主義を信じている以上、安倍首相を個人ではなく日本国民全体と同一視するのが当然ということになる。全体主義と個人主義は水と油のごとく絶対に意志を通じ合うことはあり得ない。

 国民全体への見せしめとして誰が拘束されるかわからないテロとは別に、特定の政治家を狙うテロも過去に数々の実例がある。戦前の2・26事件や戦後のエネディ大統領を狙ったテロなど、個人を対象として政治的意図を実現することが目的となる。この場合は全体と個人の主義に関係なくテロが発生する。
 但し、現在はテロを実行するよりも情報操作によって特定の政治家を潰すことも可能となった。マスコミによる情報操作は前の戦争中も不都合な情報を隠しウソで固められたニュースで国民を欺いたが、現在のマスコミも再び政治権力にすり寄って、政府に都合のよい偏った情報しか流さない事実を指摘されている。ただ、ネットを通じて裏情報をキャッチできるが、それは今のところ大勢に影響しないから無視されている。

 もちろん最近ひんぱんに報道される無差別で衝動的な殺人事件および金欲しさの人質事件は、上記のような主義主張が原因ではなく、いわば極端な意識狭窄の結果に違いないと私は受け取っている。つい最近では、女子大生が「人を殺してみたかった」という動機だけで年上の女性を斧で殺害した事件まで発生している。
 意識狭窄とは、全身の動脈硬化による血管の狭窄に例えた表現である。まさに数日先の予測も、相手や家族の心情も、殺害行為の結果自分がどのような境遇になるかも、想像できないほど、今の瞬間だけ、見える範囲だけしか意識できないほど時間も空間も狭く縮小していて、ふくらんだ欲望だけは抑えられない状態と考えざるを得ない。そのような異常な状態になった原因は、幼時からの不安定な家庭環境や愛情の欠如などの積み重ねにあると推測できる。いまや日本人全体が「今だけ、自分だけ」の狭い心に陥っている可能性がある。

 以上は政治に門外漢の一高齢者のつぶやきに過ぎない。ただせっかくネットを通してさまざまな情報が提供されているのだから、自分にとって参考となった関連サイトを紹介することをお許し願いたい。
 その一つは、女性の感性で幅広く社会情勢をとらえて評判となり、一時は人気絶頂で膨大なアクセス数を記録したサイトとして「きっこのブログ

 もう一つは、かつてアラブ諸国の大使として現地に駐在した外交官で、イラク戦争に反対したため時の小泉政権から罷免されたが、今ではアメリカ自体がイラクに戦争を仕掛けた失敗を認めている。勇気と先見の明ある意見を発信し続けているサイトとして、
天木直人のブログ」 
 一般のマスコミ情報を補う意味でアクセスしてみられることをおすすめする次第です。

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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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