ブログ<原典からの出発>(since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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追悼 松本滋先生

 訃報に接したのは3月20日、お出直しされた翌日であった。同月28日付の天理時報の訃報欄に、他の物故者よりは長い行数の記事が出ていた。その訃報欄の記事を念のため読み返すと、
「松本 滋さん(77歳・東大教会・谿郷分教会長)3月19日出直された。よのもと会講演部講師、大教会理事、天理大学講師、聖心女子大学名誉教授、日本宗教学会常務理事を務めた。宗教学博士。著書に『宗教心理学』『本居宣長の思想と心理』(以上、東京大学出版会)、『天理教の信仰と思想』(全3巻)、『神へ近づく道』(以上、道友社)など多数。東京教区。」
 その後、先生への追悼文は、道友社の出版物に未だ発表されていないが、教学に関する偉大な業績に敬意を表し、謹んでお悔やみを申し上げるとともに、心からご冥福をお祈りしたい。
 
 かつて私は、東京のど真ん中にある立派な教会をお訪ねして先生と面談したこともあるが、最近のおつき合いは、機関誌「たにさと」を郵送して下さったり、私から小著を贈呈したり、そのたびにお互い礼状と感想を書面で交換する程度であった。律儀な先生は、贈呈した文書には必ず理解ある感想を書いて返信を下さった。その末尾には、必ず書面の内容を公開しないように書き添えられていたので、先生の名声を傷つけないように、書面を頂いたことも口外するのを慎んでいた。
 
 出身の天理高校では、前真柱様と先生は同級であったと聞いている。クラスでずば抜けた秀才であったに違いない先生は、東京大学へ進学し、宗教学を専攻され、海外にも留学された。学者と教会長のどちらを選ぶかに迷った時、二代真柱様に、どちらも両立する道があることを教えられたと聞いている。
 その後、学者と教会長という二つの立場を両立するためには、人知れぬご苦労があったに違いない。私が何よりも残念なことは、前真柱との親密な関係が保たれていたら、どれほど双方にとって有益であったかと惜しまれてならない。お二人が疎遠になった陰にはそれなりの事情があったのだが、今さら表に出しても致し方ない。
 天理大学との関係も、よそ者としての扱いであったと推測される。教会長の立場が邪魔して学者の立場に徹することができなかったことがあったとすれば、先生にとってマイナスではなかったかと思う。
 
 先生は学者としては珍しく、難解な観念の構築よりは霊魂の領域に深い関心を寄せられ、自らの立場を顧みず実践的な研究を進められた。一流の学者であると共に、明快で独創の表現に富む素晴らしい文章家であった。
 <天理と刻限>サイトを検索してみると、先生の書かれた文章から幾度か引用して紹介した個所がある。
 その一つ、先生は「甘露台パワー」という言葉で、ピラミッド・パワーどころではない神秘のパワーが潜在していると表現されている。
 さらに私論「天理教学の展開を求めて」の中で、先生の教説を引用している個所がある。最後に読み返してみたいと思う。
 
「天理大学宗教学科の主流教学とは別に、松本滋氏(谿郷分教会長・聖心女子大学教授)の著書『天理教の信仰と思想』シリーズ全3巻には、教祖ひながたの道における3度の出直しについて指摘されています。ここで紹介するのはご迷惑かも知れませんが、お許し頂きたいのです。 
 第1の出直しは、教祖56歳の嘉永6年、夫・善兵衛様の出直しを機に、中山家の母屋を取り毀され、をびや許しの道あけが始まった年に当たります。いよいよ神一条の道へ0から出発されたのです。
 第2の出直しは、元治元年教祖67歳、大和神社の節があった年とされています。この事件により、後の本席・飯降伊蔵を除いて、それまで寄り集まっていた人々が離散してしまったのです。
 第3の出直しは、明治20年1月26日、教祖90歳で定命を縮められた年。松本滋氏の著書によれば、元初まりにおいて、4寸まで成人した姿に、いざなみのみことがニッコリ笑うて身を隠されたイメージが重なる、と書かれています。
 教祖ひながたの道で3度の出直しを実地に通られたからには、天理教も、同様に3度の出直しをしなければ成長・発展できないのは当然ともいえます。出直しとは、元に帰って0から再出発することです。」
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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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