ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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関越バス事故は福島原発事故につながっている

 4月29日早朝の関越自動車道での悲惨な大事故には肌寒いほどのショックを受けた。7人の死者と意識不明の重態者を含めて38人が重軽傷を負った。直接の原因は運転手の居眠りによることが、本人の口から直ぐに明らかになった。100キロ近いスピードのまま緩いカーブの側壁に接触し、前方にある高さ3mの防音壁に車体が突き刺さった凄惨な映像にわが目を疑った。
 その2日後に私は、もう一つ別の対社会向けブログ(戦争を語りつぐ証言ブログ)から、以下の文面を続いて発信した。
 
<その後、テレビその他のニュースで次の事実を知った。国土交通省の規制では、バス運転手1名の一日当たり走行距離は670キロ以内とされているが、途中で休憩する回数や時間の指定はなく、仮にその最長距離を超えても罰則はないという。670キロといえば、東京ー岡山間に相当し、凡そ9時間を要する。プロの運転手でも、その距離を1人で運転し続けることは考えられないとの声も上がっていた。
 ということは、国交省の高速バス運行規制そのものが、果たして運転手および乗客の安全を担保した内容といえるのか、その責任が先ず問われるべきであろう。運転者1人1日の走行距離670キロという数字はどこから計算されたのか、高速道路以外の距離は半分として計算されるそうだが、逆に高速道路のほうが危険性が大きい場合もある。ここにも原発の安全神話に似た官庁の無責任体制をかいま見ることができる>

<ところが新聞でもテレビでも、いい加減な規制を決めた国交省の責任を問う記事は見られない。逆に国交省がバス運行会社やツアーを企画した旅行社に規制違反がなかったかどうか調査に入ったと報道している。結局、国交省は会社の経営者側に立って、経営が成り立つような数字を決めていたとしか言えない。
 その結果が、会社側の過当競争を呼び、旅費や経費のムリな低減を余儀なくさせ、安全性を軽んじる傾向に拍車をかけたことになる。とすれば、元兇は官僚が決めた規制にあり、それを監視し指導しなかった政府にあることは間違いない。にもかかわらず、イザ事故が発生すれば、個人の責任を追求しようとする。官庁や経営者を敵に回したくないためかマスコミも、真の責任追求を棚上げして、運転手個人の過失ばかり追いかけている。
 以上の経緯を冷静に見ると、明らかに関越の高速バス大事故は、福島原発の爆発事故の原因につながっている。安全性の担保しかり、責任の所在しかり、政府や官庁は一切の責任を取ろうとしない点でも共通している。しかも、二つの事故の共通性に触れた報道が見られない点でも、原発の再稼働を容認する無責任な姿勢につながっている。
 何事であれ政治家や官僚が、国民大衆の利益や安全を無視した政策や規制を行う限り、日本に真の安全や福祉はあり得ないことを肝に銘じざるを得ない事件が次々に起こるであろう。>

 以上が事故直後にブログから発信した文面だが、それから10日近く経った現在、根本の原因は国交省にあることが更に明確になりつつある。さすがに昨夜7日のNHK「クローズアップ現代」でも、この関越バス事故を取り上げていた。そこで取り上げられた事故の経過は、私が指摘した通りであった。つまり、バス運転手の運転制限をはじめ高速バス事業の規制が生ぬるいと総務省から2年前に指摘されていたにも関わらず、最近になって漸く審議会が結論を出したという。
 その中でも1日670キロという制限はそのままで、市場を縮小するような規制を控え、国交省による監督を強化することが結論になっていたという。その番組に出演していた交通専門の大学教授は、その結論に強い疑問を呈していた。というのは、小泉内閣の規制緩和で認可制から届出制になった高速バス事業は、当時の事業者数の3倍近く増えて4500社に達していて、過当競争が激しく、国交省に届け出た運賃は名ばかりで値下げが当然となっている。しかも国交省に4500社もある高速バス会社の監督が出来るはずはない、と。規制緩和前は 500キロ当たり8000円前後であった運賃は、現在1/3近く(3000円前後)まで低下している。そのぶん運転手に過酷な条件となり、乗客の安全が疎かにされてきたのだ。

 要するに官公庁は、実務に携わる社員や利用者(消費者)の国民1人ひとりの安全や福利厚生を守る役目を果たすのではなく、行政の権益を広げ市場を拡大するために施策している。つまり各省庁の目的は、既得権益と予算獲得を有利にするためとしか考えられない。もともと国民に奉仕する筈であった官僚は、国民個々の利益や安全を守る意識、国民の痛みを感じる感覚をマヒさせてしまっているのである。
 これ以上ふれる必要はないだろうが、福島原発事故によって「表へ現われた」様々な実情は、原発推進という国策事業において、国民の安全に対する無感覚、無関心にも如実に示されている。想定外というより、初めから想定していなかったのが実情であろう。
 しかも、国民に真実を伝えるべきマスコミは、過去も現在も政官財と利害を共有していて、政府や官庁に遠慮し、原因を矮小化して個人の責任だけを追求しようとしている。財界に広告収入を依存している以上、反対できない実情もある。

「官僚化」という現象は、あらゆる組織・制度において現われる。その特徴は、前例を重んじ改革を恐れること、責任を取ろうとしないこと、既得権益を固守すること、個々の国民の利益より行政権力の拡大を優先すること、等々に見られる。これらの特徴は、教内においても他人事ではない。果たして「ようぼく」個人の幸せを何より優先しているかどうか、胸に手を当てて思案してみるべきであろう。
 
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 4月29日早朝の関越自動車道での悲惨な大事故には肌寒いほどのショックを受けた。7人の死者と意識不明の重態者を含めて38人が重軽傷を負った。直接の原因は運転手の居眠りによることが、本人の口から直ぐに明らかになった。100キロ近いスピードのまま緩いカーブの?...

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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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