ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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原発国民投票と橋下市長

 前回のブログで、昔の槍や銃器による武力戦が、今では選挙戦で市民の1票が権力の命運を握る時代になっているとの結論になった。その実例を、昨年末から続けられていた大阪の「みんなで決めよう「原発」市民投票の署名運動と、その結果に対する橋下市長の発言に見ることができる。

 国民投票に賛成の署名数は1/12現在60.357筆となり、住民が直接請求するための必要法定数の42.673筆を大幅に上回った。16日に選挙管理委員会へ提出され、審査の後、縦覧、市長の判定、市議会の召集と決議が実施される。必要法定数とは、住民の有権者人口の50分の1以上と定められている。
 一方、東京の署名運動は2/9が最終期限で、必要数214.000人の内、1ヵ月前の段階で78.240人となっていて、まだ半数に届いていない。
 念のため、この署名運動が目的とする国民投票は、最初から反原発のためではなく、推進か反対か、国民1人ひとりがどちらを選択するかを投票で決めるのが目的となっている。しかもあいまいな脱原発ではなく、原発稼動の是非を問う投票となっている。

 ところが橋下市長は10日、署名が法定数を上回ったという結果を聞いて、住民投票を実施する場合「(投票の費用が)5億円ぐらいかかる。(原発の)是か非かだけで5億かけてやる価値は僕はないと思っている」と述べ、住民投票の実施に否定的な考えを示した、と報じられた(朝日)。あまりにも市民の自発的な意思と行動を軽視した発言ではないかと思う。
 たしかに橋下市長は、関電に対する脱原発依存の株主提案権行使を掲げて当選したのだが、市民の自覚的な署名運動を単に金銭的なムダと見ているとすれば、「民意の重視」を口にしながら、黙ってリーダーに任せていればよいという、庶民をバカにした独裁的な意識を疑われても仕方ないだろう。

 実際に私がブックマークしているブログの一つには、次のような批判が記されている。つまり、橋下市長は「何よりも自分の頭で考える住民が嫌い」で、「市長の脱原発はポーズにすぎない」ので、市長の「異常に発達した舌先」の「狡い言い逃れと論点外し」の発言ではないかと、じつに厳しい。原発推進派にとっては、誰かが何とかしてくれると傍観している市民より、名も無き市民が目覚めて1人1人が動き出すことが何より怖いので、市民の署名運動を軽視する裏には、結果として推進派に味方していると見られても仕方ない、との批判もある。

 こうした厳しい批判を受け止めながら、それを乗り越えて市民の信頼に応えていけるかどうかで、橋下市長が本物の民主主義者かどうかが明らかになる。
 さらに言えば、戦後日本の民主主義はアメリカのお仕着せであり、国民自らの自覚で勝ち取ったのではないという批判は、今も無視することはできない。よほど目を見開いて監視していないと、いつの間にかナシ崩しに原発稼動もやむを得ないという世論に流される恐れがあるのだ。

 最後に付け加えれば、橋下大阪市長に対して私が同意できないのは、府立学校の教職員に「君が代」の起立斉唱を義務づける条例を制定した政策である。同じ条例案を大阪市議会にも提案する意向を明らかにしている。
 橋下氏は全く戦争を知らないし知ろうとしない。それ故、「君が代」の歌詞が国歌としてふさわしいかどうか、考えたことがないに違いない。その意味は「天皇の支配する時代は未来永劫に小石が苔むす岩となるまで続きますように」と祈願する国歌である。

 その「君が代」のために戦争の苦難を体験し、家族を戦地で失った世代にとっては、もう一つ事あるごとに歌わされた「海ゆかば水漬く屍(かばね)/山ゆかば草むす屍/大君の辺(へ)にこそ死なめ/顧みはせじ」という、天皇のために命を捧げても悔いはないと歌う残酷無比な歌詞を連想する。そうした高齢者や平和を願う人々の気持ちを橋下氏は全く理解しようとしていない。せめて「君が代」ではなく「民が代」に変更するべきではないかと思う。
 天理教について言えば、天皇を神格化した国歌神道のために、教祖をはじめとして立教以来百年間にわたり、どれほど干渉され邪魔されたかを忘れることはできない。
 
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Comment

とても参考になりました 

91歳!の方の明晰な論理による橋下批判の論説、とても参考になります。ご紹介いただき、ありがとうございました。
戦後66年もたって、我が国でも民主主義が成熟してきたはずなのに、ここにきてこんな独裁者が出現し、よくわからないままに人々が快哉を上げているという異常な事態に、わたしは非常に危惧しています。
東京の石原、大阪の橋下という二人の危険人物が今度は国政に出てくるという恐ろしい事態がやってきます。
市民軽視で思い上がった下品なポピュリスト政治家に、だまされてはいけないと思います。
上・高山に抵抗された教祖の精神を、今こそお道の人間が心してかかる、そんな時旬がやってきました。
  • posted by 草の根信者 
  • URL 
  • 2012.01/28 11:28分 
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草の根さんへ 

おっしゃる通り「上・高山」に類する権力者への抵抗精神こそ教祖ひながたです。それらを「ろくぢ」(平地)に「踏み均」さない限り、世の中が立て替わることはあり得ません。
ちょうど私が会員になっているMLで、高齢者(91歳)のメンバーの投稿がありましたので、その一部をコッソリ転載しておきます。(匿名なので本人の了解は得ていませんが)橋下市長に対する厳しい批判ですが、きっと参考になると思います。(カッコ内は私の注釈です)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大阪維新の会」のファッショ性への危惧や、支持政党なしが過半数を占める既成
政党離れの世相を巧みに捕えた橋下 徹の梟雄性(きょうゆうせい=悪者の首領が持っている性質)、これらは乱世が生んだ忌むべき兆候で、その正体は彼らの先天的ウヨク体質と、度し難い扇情性症候群にあるのだと思います。



 この一味が最も手軽に、安価かつ格好良く出来ると考えた「教育基本条例案」の具
体化ですが、これは仰せの通り“国家国旗儀礼の尊重は同時に思想信条の自由にも関
わるもので、これを保護することの重要性も教育課程でトコトン教えるべき事項”で
あり、憲法上の権利として擁護されるべきものですから、彼らの違法性は明らかです
が、失敗に終わったところで大衆迎合のパフォーマンスであって、損は無いとの計算
づくでやっていることなのでしょう。



 彼らが“日本に帰属意識を持ち、日本に大きな愛着を持とう”と云うその「日本」
とは、どのような日本であるのか? それは「日本」に従う単なるポーズであって、
その本体に対する説明が皆目なされていません。余勢を駆って次の選挙には全国的に
配下を擁立するそうですが、この理念なきオポチュニストの正体はそのうち次々と馬
脚を現し、ゆくゆくは既成政党没落の渦中に埋没することでしょう。



 この小利口の大馬鹿を絵にかいたような小暴君は、いったい教育というものをどの
ように考えているのか、右向け右で命令に従い、見た目に「忠実な鉛の兵隊」のよう
な日本人ばかりを作りたいのか、マスゲーム然たる形式主義、ポーズだけの愛国者、
仰せの通りこれはいつか来た道(天皇制軍国主義)の再来です。




  • posted by みさと 
  • URL 
  • 2012.01/25 10:31分 
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ご返信ありがとうございました 

みさと先生、ご返信どうもありがとうございました。
本当の問題は、独裁的権力者に頼らねば自分では何もできない、何もしようとしないという、人々の側の無力感や依存心にあるように思います。
その意味で、有権者側の責任はとても大きいですね。
天理教の人はつい上の者にハイハイ言ってしがたう悪いところがあるので、ハシズムにとって最も扱いやすいタイプであり、独裁政治の絶好の餌食にされるのではないかと心配です。
権力なにするものぞ、自分たちの力で世直ししてみせる、という「あらきとうりょう」らしい反骨精神をもっと持ってほしい。
こういうときにこそ、天理教の底力が発揮されるべきだと思っています。
  • posted by 草の根信者 
  • URL 
  • 2012.01/23 14:01分 
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心強い「草の根」さんへ 

橋下市長についてのブログを理解し賛同して下さって心強く思います。
あの童顔にダマされないよう、今後も油断せず注視することが必要ですね。ヒットラーの再来とかファッショとかの見方もありますが、そこまで言うのは心配し過ぎのような気もしますが。今後の橋下市長が精神的に成長するか、市民を裏切るかは、有権者側の責任でもあります。
それにしても他の政治家や官僚が、あまりにもダラシないので、よけい目立つことは確かです。
公務員側も特権に甘んじないように自覚してほしい。とはいえ「君が代」に対する市長の無理解な態度は断じて許せません。
  • posted by みさと 
  • URL 
  • 2012.01/19 21:23分 
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橋下政治にもっと警戒すべき 

お道的立場から橋下氏の政治姿勢に鋭い批判をされていて、とても感銘を受けました。
天理教の人はあまりに政治オンチの人が多く、私はずっと気になっています。
そうした人たちは、橋下氏の劇場政治・大衆迎合主義を、すごい政治家が大衆のためになにかをやってくれていると、錯覚してしています。
でも、それはタレントが舞台の上で派手なパフォーマンスをやっているだけであり(一般市民は舞台に上がるな)、また、大衆に迎合しているからといって、大衆が知恵と力をつけ、自分の頭で考える市民になることは決して認めません。
「民意」そのものも、メディアにあおられた「人気投票」にさしてかわりないもので、本当の意味での「民意」とはいえないものです。
市民投票を軽視し、君が代を肯定するところで、彼のそうした政治姿勢は明確です。

しかし、ようぼく信者も一人ひとり、立派な一市民です。
橋下氏のような独裁ポピュリズム政治には、最大限の警戒心をもって接していくことが求められます。
  • posted by 草の根信者 
  • URL 
  • 2012.01/19 10:31分 
  • [Edit]
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Author:植田義弘
今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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