ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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NHK「ヒストリア」をめぐる連想

 非凡な英雄の活躍で歴史がつくられていくドラマや映画を私は好まない。その陰に命をかけて戦わされている無数の名も無き民衆の運命が気になるからだ。
 戦いには必ず下層の民衆からなる足軽や兵隊の大群が、前線に立って敵を倒すか倒されるかの悲壮な姿が映し出される。英雄と同じ人間でありながら、民衆1人ひとりは単に武器を使う道具か数量でしかない。
 かつての太平洋戦争中、召集を受けて仕事や家庭を離れ強制的に戦場へ駆り出された兵士に対して、「お前らはいくらでも補給がきくが、馬はすぐには補充できない」と、牛馬以下の扱いを受けたと聞いている。

 それはともかく、正月早々の上記番組で、戦国時代の織田信長、上杉謙信、徳川家康の3武将の三つ巴の確執と闘争が放映されていた。時代劇は好きではないと言いながら、つい観てしまったのだが、おかげで思いがけない発見があった。その番組内容は史実と史料(「甲陽軍艦」など)に基づいているとのことだから、信用して要約すれば次のようになる。
 最初、信長は武田信玄の実力に敵わぬと見るや、度重なる贈り物や書状で下手に出てご機嫌を取り結び、敵に廻すことを避け、その間に着々と実力を蓄えていく。信心深い信玄は占いの託宣に従って出家して頭を丸め、何よりも家来の幸せを祈願して下々から厚い信頼を受けている。温厚といわれる家康は、虚々実々の手練手管で巧みに人間関係を築いている。

 やがて実力を蓄えた織田信長は、家康軍と共に甲斐・信濃を支配する武田軍勢に対して挑戦する。その時すでに信玄は急死し、頭領となった子息の武田勝頼を忠臣たちが護衛していた。
 勝頼は一旦甲斐に引き揚げるが、7年後、長篠・説楽原(したらがはら)の戦いにおいて、鉄砲1000丁を並べた信長の戦術に敗れる。勝頼の打ち首に向かって信長は「天下人に反抗した天罰じゃ」と罵ったが、家康は勝頼の若さゆえの敗北と同情を示し、武田勢の家臣たちの生活が成り立つように厚遇した。
 その後、傲慢な織田信長は明智光秀の謀反のため本能寺で落命する。一方、信心深く部下を慈しんだ武田信玄の百回忌には、恩を受けた500人以上の武士たちが供養に集まったという。

 やがて羽柴秀吉が頭角を現わし、全国を統一して太閤となるが、一代で家康に滅ぼされ、天下太平を旨とする徳川幕府の江戸時代となり、明治維新まで270年にわたる鎖国と封建制で日本を支配することとなる。
 この歴史の流れから何を連想したかといえば、一つは信長、信玄、家康という三人の人格と運命の違いであり、もう一つは現代に飛躍して「大阪維新の会」を立ち上げ市長選に大勝した橋下徹氏であった。なぜ「大阪維新の会」かといえば、戦国時代から江戸時代、明治維新、大正・昭和の戦争時代を経て、槍や刀を振り回した戦いは鉄砲や大砲に変わり、さらに航空機や原爆となった。
 しかし戦後の民主主義社会となった現在、日本国内での戦いは、武器ではなく国民大衆の1票を争う選挙戦となっている。つまり、英雄が大衆の命運を支配する武力戦ではなく、主権在民の選挙戦によって勝敗が決まり、権力が移譲される時代になっている。その歴史的変化の中に、高低のない自由平等な社会の進化を跡づけることができる。但し、大阪市長となった橋下氏の人格や政策を、私は無条件に賛成しているわけではない。橋下市長が率いる政党の今後の勝敗は、2世紀前までのように槍や鉄砲ではなく、次の選挙戦での市民1人ひとりの投票によって決まる。だから、逆に市民1人ひとりが権力者の命運を握っているとも言えるだろう。

 とはいえ世界を見渡せば、今もなお内戦とか自爆テロによって、同じ国の人間同士が殺し合い、いがみ合っている状況は続いている。いずれは、少なくとも国内での武力衝突は無くなり、さらに国際関係においても、武器に依存する平和ではなく、民衆の1票によって事を決する時代が到来することを待望したい。
 と同時に、親なる神は「上・高山」を「ろくぢ」に踏みならし、「高低」や「謀反」のない世界へ、武力を捨てて真の平和を守る方向へ、人類を導いて下さることを信じたい。
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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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