ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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オウム事件の裁判終結

 地下鉄サリン事件から16年、オウム真理教の被告189人のうち、最後に残った元幹部・遠藤誠一被告(51)に対し、最高裁が21日、他の10人の死刑囚に加えて死刑判決を言い渡し、一連の事件の裁判が終わった。死者29人、負傷者は6,000人を超え、今なお後遺症に苦しむ被害者も生存している。宗教法人が大量殺人を善なる行為とし、国家転覆を計画していた奇怪な事件は、宗教教団に対する不信感を増幅する原因になったことは事実であるが、信頼を失った既成教団側も問題を内包していることは否定できない。

 事件発生後3年目に刊行した小著『教祖ひながたと現代』の巻末に付記した「この本の刊行を決意した理由」の冒頭を読み返してみた。
「教祖百十年祭の前とし(平成七年)は波乱の多い一年であった。
 一月の阪神大震災に始まり、三月には地下鉄サリン事件が突発した。その後、事件はオウム真理教の仕業(むほん)と判明し、大震災とともに日本人を不安に突き落とした。
 同じ年、教内では夏から真柱様の重篤なお身上が伝えられ、おさづけのお運びが長期にわたって中止された。じつはその秋から年末までの三ヵ月、私は修養科一期講師を拝命し『教祖伝』を担当した。その期の修養科生はおさづけを拝戴できないまま帰省していった。
 年祭が迫る時旬に、修養科生とともに毎日『教祖伝』を講読しながら私は、只ならぬをやの急き込みと切迫した刻限を痛感せずにはいられなかった。と同時に、阪神大震災や地下鉄サリン事件をはじめ世の中に相次いで起こる事情を鏡として、自分を含めて教内の実情を省みるとき、このままでは教祖に対して申し訳が立たない思いに駆られる日々であった。・・・(後略)」

 その年から3年後に、教友の強力を得て自費出版した前記の『教祖ひながたと現代』には◆オウム事件の教訓 と題する項目がある(35~38頁)。その書出しには、
「・・・大震災から二ヵ月を経た三月二十日、またもや衝撃的な「地下鉄サリン事件」が突発した。その後も次々とオウム真理教による誘拐殺人などの犯罪事実が明るみに出て、五月十六日、ついに麻原容疑者が逮捕された。上九一色村の第七サティアンと呼ぶ建物を数時間かかって捜索した結果、天井の隅に急造された棺桶のような秘密の空間に、一千万円近い現金を枕元に置いて隠れているのが発見されたという。見つからずに逃げ切れる幸運を神に祈っていたのか、あるいは自分を神と錯覚しているために無差別殺人にも罪を感じないのだろうか。」

「要するに、オウム事件は日本の現代社会の影であり、戦後五十年の歴史の裏返しともいえる。戦後の日本は経済力の拡大を何よりの価値とする体制であった。新聞には前年と比較して生産量や輸出量の数字が何パーセント増えたかが示され、GNPの拡大のみが幸福や繁栄を計る目安になってきた。いわば貨幣と生産の増減が価値の尺度となる相対的な世俗社会になってしまった。しかし、「俗」だけでは満足できず、「聖」なる価値を求めるのが人間の本性である以上、必ず絶対的な価値を希求する若者たちが生まれてくる。ところが既成宗教は世俗化し、すでに聖なるイメージを失っている。したがって「聖」のシンボルが最も利益の上がる事業になり得ることを、麻原は敏感に察知したにちがいない。中でも偏差値が高く最先端の知識をもちながら、真善美の価値を教育されたことのない高学歴の若者たちをターゲットに、名誉と報酬を餌にして彼らを手なずけるやり口は、まさに詐欺の天才というほかはない。出家した彼らは世俗社会を全面的に否定し、現実から脱出しようとした。もともと冷静な判断力や理性をもち合わせていない麻原は、劇画のフィクションそのままに正義の仮面をつけ「邪魔者は殺せ」のドラマの主役を演じたのであった。」

 さらに同書では「オウム事件はまた、日本人が忘れ去ったつもりの五十年前の過去を改めて思い知らされた出来事でもあった。というのは、マインドコントロールされた彼らが神聖な価値を信じて闘ったという点では、天皇制を絶対と信じて戦場に駆り出された戦時中の日本人と変わるところはないからである」
 上記の前提に立って、引き続きいのちの根元となる教理からオウム真理教の虚妄性を解剖している。よろしければ『教祖ひながたと現代』の頁を開いて続きを再読して頂ければ有難い。
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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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