ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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戦後「応法の道」は逆転した

 以下、つづいて前掲書『教祖ひながたと現代』より引用。
<ここで「おさしづ」の「応法の理」あるいは「応法世界の理」という言葉の意味を確認しておく必要がある。明治時代から昭和20年の敗戦までの法律および法律を支えていた世上の理(社会通念・秩序・規範)と、敗戦後の大変革を経て現代における法律・規範とは、全く異なっているからである。
 したがって、「おさしづ」で言われている「応法」は戦前の日本を支えていた秩序であって、現在の法律を意味するのではない。その当時は「上・高山」が民衆を独裁的に支配し、信教や思想の自由を抑圧し、教祖の教えを差し止めていた法律であった。国民もまたそうした法律に従っていた。社会通念として国家神道を基盤とする天皇制を認めていた時代であった。
 それ故に、戦前の法律や秩序に従うという意味での「応法」は、戦後の社会では逆に法律に反することになる。何故なら、昭和20年を境として、法律や秩序が教祖の教えに近づく方向へ変革され、差別を撤廃し自由や人権を重んじるようになったからである。
 要するに、教会は戦前の「応法」に従って出発したのであり、明治以前からの身分や階層の意識が反映されていた。「おさしづ」で「神一条の道からは万分の一の道」といわれ「余儀なくほんの腰掛けという理」と諭されている理由は、政治権力や神道本局の干渉のために原典を元とする理が土台となっていなかった故である。
 戦後、原典にもとづいて教義が復元されたからといって、教会制度がそのまま温存されてきた現在、「応法の理」が自然に「神一条の理」に変わったわけではない>

 上に引用した文面の意味を以下に補足したい。
 今さら申すまでもなく、戦後の日本は民主化され、基本的人権の尊重、あらゆる差別の撤廃、社会福祉の充実が実現した。敗戦までの日本は、軍部政権による自由の禁圧、人権無視、宗教統制等々、天皇の名の下に310万人もの日本国民が、中国や東南アジアや南方の島々、さらには国内の空襲で命を失ったのであった。日本は天皇の祖先が天孫降臨して治めてきた国である故に、国民はみな天皇の赤子(せきし)であり、天皇の威光を八方にひろげて世界を統一(八紘一宇)する聖戦のために命を捧げることが最高の名誉とされた。
 今では信じられないことだが、戦後の憲法が制定されるまで、女性に参政権さえ与えられていなかった。軍部が政権を独裁し、特高(特別高等警察)の恐怖政治によって、言論・思想・信教の自由も完全に封殺されていた。

 明治から昭和20年まで政府から干渉を受けつづけた神道以外の宗教団体は、戦後はその見返りとして新しい宗教法人法によって保護され、教団内の運営や制度には一切干渉されないこととなった。戦後も組織制度(体制)が温存されたのは、他に官僚組織がある。その結果は、15年前に狂気の地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教が出現し、今や批判の的になっているエリート官僚の天下りとタテ割りの省益を優先する利益共同体と化している。宗教にせよ官僚にせよ、内部だけに通用するルールと秩序を保持しながら、外部と断絶した旧態依然とした体制を固守し続けている。

 一方、国会議員の総選挙や地方自治体の知事・議員の選挙を基盤とする民主主義は、あくまで政治的なレベルの法律であって、個々に「心のほこり」を含む利害得失で投票する市民の多数決が常に正しいとは限らない。それ故に「国会では治まらん。神一条で治める」(明治24.2.7おさしづ)のは今も真理であり続けている。

 むしろ宗教法人が民主的に運営されるならば、個人の欲望や利害得失ではなく、原典の教義に基づいてあらゆる問題を論議し議決することができる故に、最も理想的な運営が可能となるはずである。ところが、原典にともづいて教義だけが復元されたために、復元教理と教会制度の二重構造がそのまま温存され、民主的な体制への改革は全くなされなかった。

 したがって未だに民主主義は、国会において根付かず、宗教法人・天理教の体制には全く採択されていないのが現実と言わなければならない。それ故に、現在の天理教の体制は、戦後の民主化された法律に応じる「応法」ではなく、といって原典の教義にも基づいていない、まさに” 世にも不思議な” 体制と呼ぶ以外にないだろう。 

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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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