ブログ<原典からの出発>(<心のテープ>改め since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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沖縄を忘れることはできない

 6月23日「沖縄全戦没者追悼式」が執り行われた。66年前のその日、沖縄戦で日本軍の司令官が自決し、組織的な戦闘が終わったという。日本軍の将兵はもとより、米軍や民間人で命を失った人数は併せて20万人を超えた。中でも、現地沖縄の子供や女性を含む民間人の死者が半数近くに上っている。このたびの天災による東日本大震災の犠牲者も2万数千人を数えたが、戦災に遇った沖縄の犠牲者は10倍近くあったことになる。
 毎年、小中学生のつくった詩の朗読があり、今も涙を誘う。仲井真沖縄県知事による東日本大震災への協力と平和宣言があり、神妙な顔をして挨拶文を読み上げる菅首相の姿もテレビ画面に映っていた。
「中学生の詩 朗読」
「沖縄平和宣言」
 今日の追悼式に関連づけて放映されたのかどうか、19日(日曜)の夜、ショッキングな特集番組をNHKで視聴した。「昔、父は日本人を殺した」というタイトルであった。父というのは、ピューリッツアー賞を受賞したカメラマン&作家デール・マハリッジ氏の父親で、昔、沖縄戦に従軍したアメリカ海兵隊員だった。
 マハリッジ氏の父は、戦後も時折異常な言動があり、亡くなるまで神経症状が治らなかった。父が死ぬ直前に知ったのだが、戦場の沖縄でパトロール中に、サトウキビ畑で日本の少年兵と鉢合わせして、目と目が合った次の瞬間、相手を撃ち殺したのであった。
 当時、沖縄では14才になるかならない少年たちがロクな武器も持たないまま兵士として駆り出されていた。他の子供や女性たちも、米軍に捕まれば虐殺されるとの日本軍の言葉を信じて最後まで洞窟に隠れたり、岬の先端まで追い詰められて身投げしたのであった。

 マハリッジ氏は、父と同じ海兵隊の中隊で生き残っている人々を訪ね当て、昔の思い出を聞いて回ることにした。すでに80台の半ばを過ぎている多くの元隊員は過去を話すことに抵抗を示したが、熱意に負けて語ってくれた。誰1人として勝利した英雄として語った人はなかった。武器を持たない民間人を殺したことに悔恨の念を抱き続けていた。
「デテコイ シンパイナイカラ」と叫んでも現地の人は姿を見せなかった。日本軍と民間人は同じ洞窟に隠れたが、食料がなくなると軍人は民間人を外へ追い出した。手榴弾や火焔放射器を洞窟の奥へ向けると、生きながら焼き出されてきた女・子供を見殺しにした。
 米軍の戦死者も多く、上陸した時は250人いた中隊で、生き残ったのは31人だけになった。年を取るにつれて、あの沖縄での悲惨な場面を夢に見ることが多くなった。──息子の作家マハリッジ氏が聞き取った元海兵隊員の言葉の多くは、苦い悔恨を噛みしめながら語られた。

 その後、作家がカメラを担いで現地の沖縄を訪ねて戦跡を辿り、僅かに生き残った元少年兵に向き合った時、すでに高齢を迎えているその人は、じっとマハリッジ氏を見据えながら「何故、あれほど多くの沖縄の住民を殺さなければいけなかったのか」と、質問を発したあと沈黙しつづけた。「戦争を始めてはいけない。戦争が始まると取り返しがつかなくなる」とも言い切った。
 マハリッジ氏は答えた。「日本は戦後66年の間、一度も戦争をしなかった。アメリカは今も戦争を続けている。あなたの言葉を理解することはできる」と。

 じつは一昨年の冬、沖縄の戦跡をめぐる旅に出た私は、現地沖縄の那覇分教会に参拝して、85才になる会長さんの話を聞かせて頂いたのだが、その時の会話を想い出さずにはいられない。その老会長さんは他の戦場へ出征していて帰国してみると、米軍の空襲で何もかも破壊されていた上に、今も母が行方不明のままであると。それでも悪いのは、米軍よりも日本軍の方だ、と明言された言葉が忘れられない。
「沖縄 戦跡めぐりの旅」(写真6枚つき)

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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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