ブログ<原典からの出発>(since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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「宗教者よ 変われ」 の講演を聴く

 今月の初め(2日)に、せっかく聴いた講演を自分一人の胸にしまっておくのは「もったいない」と思い当たったので、その要点をお伝えしたい。 
 その催しは「差別をなくす奈良県宗教者連帯会議第28回総会」で、記念講演の講師は高橋卓志師、演題は「宗教者よ、変われ~いのちと向き合う~」高橋講師は長野県松本市の臨済宗妙心寺派・神宮寺住職で、著書の『チェルノブイリの子供たち』『寺よ、変われ』などで知られている。

 もう少し高橋講師について紹介すれば、まさに型破りの僧侶というべきで、数百の檀家をもつ神宮寺をバックに、NPOを立ち上げ、福祉施設を設立運営し、さらに海外に活動を広げている。中でもチェルノブイリの原発爆発による放射能被害の救済には、20年来にわたり尽力を続けている。
 高橋師の出発点は、30歳でニューギニアの戦跡を遺族とともに慰霊の旅に出た時の極限の体験にあることは、著書の中に幾度も触れられている。洞窟の奥に散乱する無数の遺骨の山、亡き父や夫の名を呼びながら号泣する遺族の姿に、自分の唱えるお経が何の役にも立たないことを否応なく思い知らされる。さらに子供の頃、友達からヤユされた一言がよみがえってくる「お前の家は人が死んだら儲かるから有難いな」。
 なぜ人間がこんな無惨な死を強制されなければならないのか。一方、お寺は「いのち」に背を向けて、死者だけを相手に葬儀と墓地の経営に満足しているのではないか。そして今の時代、人々は仏教にアイソをつかし、公益性のない活動や献金に協力する意義を認めなくなっている。

 高橋師が講演を依頼されたのは、3:11の大震災が起こる前のことであった。その直後に起こった大震災と原発事故のために、講演の内容は大きく変更することとなった。 
 20年にわたりチェルノブイリを往復して放射能被害の実態を直視してきた経験は、こんどの東日本大震災による福島原発の爆発事故にも生かされた。福島の実情を傍観できないのは当然だった。同じ長野出身で救援活動を共にしてきた鎌田実医師の治療チームと同行して幾度となく被災地を往復した。
 チェルノブイリと福島の被害の比較は恐ろしい結果を予測されるが、ここでは省略せざるを得ない。ただ、チェルで爆発した原発は1基だけで1週間で収束したが、福島は1・3・4号機と複数の爆発があり、未だ放射能は収束していない。(それにしては政治家は「非常事態宣言」も実施せず、ノンキに動き回っているではないか)

 私にとって初めて耳にした「死の分類」というテーマの意味を思い返してみたい。
 個人の死に方には3つの種類があるという。
1)Sudden Death(突然の死=事故や津波による死)
2)Slow Death(慢性病などでベッドで衰弱していく死)
3)Prepeared Death(告知を受けて家族や医師の看取りを受けながらの死)
 それとは別に、社会全体に見られる「大量死」があると指摘されたとき、私はハッとして気がついた。このたびの大震災こそは大量死に他ならないからだ。

 講師は何を言わんとして「死の分類」に触れたのか、それは歴史の教訓を知るためであった。つまり、中世のヨーロッパでペストが大流行した時、まさに大量死が発生した。2000万人の死者が出たからだ。人々は「死」が身近かに迫っていることを知った。「死を想う」ことは避けられなかった。
 そうした時代にあっては、それまでの宗教は救済の役目を果たせなくなり、信用されなくなる。現代の日本にも、大震災による2万数千の大量死はいうまでもなく。さらに団塊の世代700万人のなだらかな大量死が近づいている。日本人は、その死に耐えられるのかが大きな課題となっている。しかし、既成の宗教に、それらの死を救済する力があるだろうか。
 死と向き合うことなく、被災者に「寄り添う」と口で唱えても、被災者に信頼されない限り相手にしてくれないだろう、と高橋師は断言して止まない。
 歴史に目を向ければ、ペストによる大量死を経験したヨーロッパは、その後、ボヘミアに宗教改革が起こり、人間を中心としたルネッサンスが西欧諸国を席巻して、宗教も社会も文化も変革されていった。21世紀のこれからの日本と世界は???


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