ブログ<原典からの出発>(since2009.12.16)

天理市から発信する 教内外の情報満載のブログです。 10年前から開設しているHP<天理と刻限>の姉妹版として、 原典と現実をむすぶ「理」の情報を提供します。

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3・11から1ヵ月以上を経た今

 このたびの東日本大震災には二つの側面がある。その一つは大津波による天災であり、もう一つは福島第一原発の爆発という人災に当たる事故だ。
 もちろん原発も大津波がなければ事故は起きなかったのだが、1年も2年も水で冷やし続けないと爆発する核分裂を応用した技術を開発したのは人間に違いない。その原発の技術によって、もともと自然に存在しない放射能物質が飛散して、目に見えない悪魔のごとく体内に取りつくのだ。

 3.11の大津波に襲われた被災地の映像を見た瞬間、私は65年前の戦争末期、空襲で焼きつくされた戦災地を思い出した。原爆投下後の広島の写真にも似ていた。戦災は大津波と違って火による災害であり、まさに戦争という人災であった。
 過去6年にわたって戦争体験の証言を収集してきた私は、前日の3月10日に、東京大空襲のため一夜にして10万人の市民が生きながら焼き殺された事実を覚えていた。そればかりか、戦争のため日本人だけで310万人が悲惨な死に至った歴史を知っていた。

 必勝の信念を吹き込んで戦争を指導した参謀本部の、死の危険を無視した作戦のために犠牲になったのは、戦場へ駆り出された兵隊や国内の市民であった。絶対安全と国民を説得して原発を作りつづけた結果、手に負えない放射性物質からの避難を強いられ、衣食住を奪われているのは、やはり名もない地域住民なのだ。
 昔は人間同士の戦争であったが、今の原発は自然を相手に仕掛けた戦争であり、いずれの場合も「上・高山」自体が計り知れない損害を背負わされる結果となっている。

 それにしても1ヵ月経って、行方不明者1万4千人超とは前代未聞の犠牲者の数に違いない。生き残った被災者の難儀不自由は想像を絶するものがある。家族の中で一人だけ生き残った人が、自分も波にさらわれたほうがよかったと嘆く気持ちが痛いほど推察できる。
 天理教は災害救援隊本部を中心として、早急に給水車が現地に向かい、災害をうけた東北3県に見舞金を寄託し、その後も各地から述べ3千人の教区災救隊が出動して誠心誠意の活動を続けていることに感謝したい。
 かつて阪神大震災に際して、真柱様は一度も現地へ足を運ばれなかったために一部で不審の声を聞いたが、今回は天皇陛下に続いて被災した教信者を現地で見舞われた。

 その一方で、国内はもとより外国からも救済と支援の声と動きが自然発生し、急速に拡大していった。家族の絆どころでなく、日本全体が一一つになって心の絆でつながり、ボランティアと義援金に協力を惜しまない空気に一変した。被災者の冷静さと辛抱強さ、礼節と勇気などに対し外国から賞賛を受けた。
 ただし、そうした空気は天理教が影響を与えたのではなく、上からの指令でもなく、まさに親神様が個々の体内に入り込まれたかのように自然発生的な連帯意識の目覚めであった。その前提として、自由平等に国内外に映像を伝達できるネットの影響が大きかった。

 もちろん、まだ災害と避難は続いている。それどころか原発の爆発事故に関しては、解決の見通しも不確実としか言えない。一般に科学技術は自然の原料を加工することで成り立っているが、原子力発電に関しては、自然にない物質の発生を伴う技術であり、それ故に、自然を相手に戦争を仕掛ける技術に違いない。
 その意味で、大津波による災害の復興と同じように、安全さえ回復すれば、今までと同じように原発計画を続けることは許されない。極端に言えば、大津波は原発に対する自然からの警告であり、被災者や行方不明者はそのための尊い犠牲ではなかったか、とさえ思われる。

 とすれば、神様から自然観の転換を問われていると言うことができる。少なくとも、お道の信仰者は、「よろづいさいのもと」にもとづく自然観・生命観を自覚し、その信念を世の中に伝えていかなければ、百数十年前に「元の理」を説き聞かされた教祖にお詫びのしようがないほどの親不孝を積み重ねることになるだろう。
 それどころか、もし真実の心定めをしなければ、原発の安全をいつまでも回復できない最悪の事情を見せられることもあり得るのではないだろうか。
 最後に「おさしづ」の一節を思い起こさずにはいられない。
「さあ/\天のあたゑというは薄きものである。・・・薄きは天のあたゑなれど、いつまでも続くは天のあたゑという。・・・」(明治21.9.18)

 教祖ご誕生祭の夜に記す

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今年(2016)8月4日に朝日新聞の取材を受けて記事と共に掲載された近影です。記事については8/15更新のブログを参照してください。今年84歳にしては若く見えるでしょう?

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